メソアメリカでのみ栽培されていたカカオが16世紀に
スペイン人によって初めて移植されたのがこのトリニダード。
カカオプランテーション第一号はトリニダードでした。
カカオは大きく3種に分類されますが、そのうちの一つ、
トリニタリオ種はトリニダードが原産地です。
香り高く上質だが病気に弱いクリオロ種と、香りは弱いが
病気に強いフォラステロ種、両者の性質の良いとこ取りを
したハイブリッド種です。
以前はカカオが国の主産業の一つで、全盛期の1900年代
前半には世界第4位の生産量を誇り、人々の生活にも
欠かせない存在でした。世界三大カーニバルの一つ
トリニダードのカーニバルでは、「ジュベ」という
前夜祭が行われます。現在は、泥やカラーペンキを
掛け合うお祭りですが、以前はチョコレートが使われ
ていたそうです。
一大産業だったカカオは、石油やガス等エネルギー産業の発展と
ともに衰退し、最盛期の百分の一近くまで生産量は低下。
しかし歴史ある産業を消してはならないと、復興の動きも出てき
ました。高品質カカオを作ることで、農家の自立を促す活動が
広がり始めています。トリニタリオは、カカオの販売を通じて
この活動の一助となる事を願っています。